紙の情報をデジタルで一元管理!高齢者の介護予防を地域で継続できる仕組みを作りたい!
- 締切日
- 2023/07/18(火)【募集終了】
- 課題地域
- 山陽小野田市
- 担当部署
- 山陽小野田市 高齢福祉課 地域包括支援センター
- 採択企業
- 株式会社ラック
POINT
解決したい課題
「住民運営通いの場」(以下「通いの場」)では参加者情報を紙で管理しており、事務処理に手間が発生している。またデータの連携もできておらず、充分に活用されていない。
想定する実証実験
参加状況、介護予防に関する評価など、参加者に関わる情報をデジタル化し、一元管理できる仕組み作りを検証したい。
実現したい未来
デジタル化により事務作業の効率化を図ったのち、時や場所を選ばずに自由に参加できる新しい「通いの場」を作り、楽しく介護予防ができる環境を構築したい。
得られるもの
「通いの場」は全国的に展開されているが、同様の課題を抱えている市町へ展開できる可能性がある。
高齢者の孤立化を防ぎたい!いきいきと暮らす高齢者を増やしたい!
山陽小野田市では、高齢化や核家族化の進行により、高齢者のみの世帯が増加しており、地域住民のつながりの希薄化により、高齢者が孤立することが懸念されています。
さらに新型コロナウィルスの感染拡大は、高齢者の孤立化に拍車をかけてしまいました。人がいきいきと暮らしていくためには、いろんな人と話したり、一緒に活動する中で、楽しみや喜びを分かち合うことが欠かせません。
対面での交流を避けることで、高齢者が集う場がなくなり、周囲との交流がなくなれば、心身ともに健康に悪影響をもたらしてしまいます。
「通いの場」をご存じですか。
高齢者が住み慣れた地域で、いきいきと暮らしていくために設置されているのが「通いの場」です。
正式には、「住民運営通いの場」と言い、高齢者が介護予防に取り組んだり、地域の人同士のつながりを深めることを目的とした地域での自主活動の場です。地域住民のお世話係が中心に運営されており、高齢者の生きがいの場となっています。
山陽小野田市では、平成25年に「通いの場」を立ち上げ、現在88か所の「通いの場」があり、週に1回程度、地域の自治会館などに集まって、いきいき百歳体操や音読などの活動を行っています。
「スマイルエイジング」(健康寿命の延伸)を掲げる山陽小野田市において、「通いの場」での地域における介護予防やつながり強化の取組は、高齢化が進む中、ますます重要な取組となっています。
お世話係の事務作業が負担になっている
重要な「通いの場」ですが、新型コロナウィルスの影響もあり、参加者数は減少傾向が続いています。また、お世話係の高齢化やコロナ禍における体調管理等の運営事務増加により「通いの場」の新規設置が進んでいません。
今後「通いの場」を継続していくためには、いくつかの課題があると考えています。
【課題①】紙ベースの情報管理による事務負担を軽減する
お世話係の事務量の多さ、高齢化や後継者の不在などにより「通いの場」の実施が難しくなっている地域があり、今後、休止や廃止となる可能性がある。また、報告や連絡を受ける市職員も、アナログでの対応に時間を要している。
【課題②】活動状況のデータ化や活用
健康状態や日常生活の状況を確認する基本チェックリスト、体力テストなどの結果は、データ化、分析ができていないことから個人へのフィードバックにとどまっており、「通いの場」の活動が健康寿命の延伸にどの程度影響があるのかは明らかにできていない。
【課題③】時間と場所を選ばない新しいコンテンツ
これまで、いきいき百歳体操をメインコンテンツとして活用してきたが、コンテンツが更新できていないことから、参加者に飽きが出ている。eスポーツなど新たなコンテンツを導入することで参加者増加や交流促進を図りたい。
デジタルの力を使って、地域で継続できる仕組みを作りたい
今回の実証では、数か所の「通いの場」に協力を依頼し、タブレット、アプリ、デジタルコンテンツ等を活用した「通いの場」のデジタル化を目指しています。その中で、お世話係や市職員の負担軽減、参加者増加により、地域で継続して運営できるか検証したいと考えています。また、可能であれば、集約された活動状況のデータが介護予防に有効かどうかも検証したいと考えています。
具体的な取組としては、
【取組①】
現在紙ベースで行っている参加者の出欠や体調確認、市への実績報告や連絡をタブレット等で入力・管理できるシステムを導入することで、お世話係や市職員の負担を軽減する。
【取組②】
参加者の出欠管理や基本チェックリスト等の活動状況をデータ化することで、活動を継続していることによる健康上のメリットがあるのか客観的に把握できるようにする。体力測定などのデータを取ることも可能。可能であれば、データを分析し、その結果を参加者や市の施策へフィードバックできるようにする。
【取組③】
将来的には、時間と場所を選ばずにオンライン上でも実施できるeスポーツなどの新たなコンテンツを展開し、参加者増加につなげたい。また、「通いの場」を、高齢者だけでなく多世代が集える場として発展させたい。
目指す未来
「通いの場」をデジタル化することで、まずは、お世話係や市職員の負担を軽減するとともに、データを活用して、効果的な介護予防に取り組みます。
将来的には、時や場所を選ばずに自由に参加できる新しい「通いの場」を作り、楽しく介護予防ができるまちを目指します。楽しく介護予防できることは社会保障費(医療費や介護保険)の伸びを抑えることにもつながると考えています。
新しい「通いの場」の必要性は、他自治体でも課題と感じています。この実証により、「通いの場」のデジタル化が効果的であることが分かり、事業化することができれば、先進的な取組として、他自治体への展開も考えられます。
年齢を重ねても笑顔でいきいきと暮らせる地域になるよう、意欲的に取り組んでいる高齢福祉課(地域包括支援センター)のメンバーと一緒に取り組んでいただける方、ぜひ、ご協力お願いいたします。
Outline
背景 | 本市では、平成25年に地域介護予防活動支援事業のモデル事業を受け、「通いの場」を立ち上げ、支援をしている。現在88か所の「通いの場」が設置されているが、コロナ前をピークに「通いの場」の新規設置個所数及び参加者数は減少傾向が続く。一方、健康寿命の延伸を図る「スマイルエイジング」を掲げる本市において、地域における介護予防・重度化防止の取組みには、重点的に取り組む必要があると考えている。 |
課題(詳細) | ①紙ベースの情報管理による事務の負担増加 事務の仕事量が多く、高齢化と後継者の不在などにより実施地域が減少。今後、休止や廃止となる可能性がある。 ②活動状況のデータ化や活用 体力テストなどの結果は個人へのフィードバックにとどまっており、活動が健康寿命の延伸にどの程度影響があるのかは明らかにできていない。 ③時間と場所を選ばない新しいコンテンツ コンテンツが更新できていない。eスポーツなどで参加者増や交流促進を目指したい。 |
求める解決策 | タブレット、アプリ、デジタルコンテンツを活用し、「通いの場」をデジタル化する。 ①現在紙媒体で行っている参加者の出欠や体調確認、市への実績報告や連絡をタブレット等で入力・管理できるシステムを導入する。 ②活動状況をデータ化することで、活動を継続していることによる健康上のメリットがあるのか客観的に把握できるようにする。 ③将来的には時間と場所を選ばずにオンライン上でも実施できるコンテンツなども展開し、参加者増につなげたい。 |
想定する実証実験内容 | 数か所の「通いの場」に協力を依頼し、「通いの場」のデジタル化を実証する。事務員の負担軽減や参加者増加の可能性について検証し、可能であれば集約された活動結果データが介護予防に有効かどうかも検証したい。 「通いの場」のお世話係に、タブレット等を用いて出欠や体調などの管理、市への実績報告や連絡をしてもらう。 参加者の出欠管理や基本チェックリスト等の状況をデータで管理する。体力測定など必要なデータを取ることも可能。 |
実証実験成功後の発展性 | 「通いの場」を設置・運用している他の自治体への展開が期待できる。 |
提案企業に求める専門性 | 高齢者向けの事業に理解があり、様々な視点での提案が可能な企業様。 |
プロジェクトの進め方打合せ方法 | 「通いの場」の視察や参加者の状況把握など、オンラインも活用しながら柔軟に対応し、プロジェクトとして一緒に進められればと思います。 |
提供可能なデータ・環境等 | これまでの事業展開の実績(基本チェックリスト、「通いの場」の数や参加者数、「通いの場」での実施内容、通いの場交流会での実施内容)、実施プログラム「いきいき百歳体操」DVD。 |
プログラム終了後の本格導入 | プログラム終了後は、効果を検証し、予算化も含めて導入について検討していく。 |
山陽小野田市
- SANYOONODA CITY -
山陽小野田市は山口県の南西部に位置し、下関市、宇部市、美祢市と接しています。里山、河川、干拓地に拡がる田園地帯、海などの豊かな自然のほか、森と湖に恵まれた公園や海や緑に囲まれたレクリエーション施設があり、優れた自然環境に包まれています。 市内には山陽自動車道(小野田I.C、埴生I.C)、山陽新幹線(JR 厚狭駅)があり、隣接する宇部市には山口宇部空港があるなど、高速交通網の利便性が高い交通の要衝となっており、産業立地も好条件を備えています。 明治維新後、本市は工業都市としての道を歩んできます。明治 14 年(1881 年)、国内初民間セメント製造会社が設立、続いて、国内でも早期に設立された民間化学会社が誘致されました。 大正時代にも製薬会社の工場や国内初の民間火薬製造会社の工場が造られるなど、本市は日本の産業近代化の先駆けと言えます。同時に、石炭産業や硫酸瓶などの製陶業も隆盛を極めました。 現在も県下有数の工業都市である本市では、須恵器、セメント、硫酸瓶を製造した窯業の歴史を踏まえ、ガラスを用いた新たな文化を創造し、「現代ガラス展」を開催するなど全国へ発信することで、「ガラスのまち」としての魅力づくりに取り組んでいます。 https://www.city.sanyo-onoda.lg.jp/