交通事故分析にデジタルの力を!AIなどを活用した分析の第一歩を踏み出したい!

- 課題地域
- 山口県
- 担当部署
- 山口県警察本部 交通企画課
背景・課題
山口県警は交通事故分析に基づき抑止策を策定してきたが、更なる減少には精密な分析が不可欠である。人力による全統計項目の分析は困難なため、AI等のデジタル技術を活用し、分析精度向上と作業負担軽減を図り、事故防止対策に活用したい。
- 目的と課題
- 人力では不可能な交通事故に関する全ての統計項目の組み合わせの集計を行い、特徴・傾向を導き出す。
- AIをはじめとしたデジタル技術を活用することで、分析精度の向上及び分析・資料作成作業の負担を軽減する。
- 過去の交通事故の情報をAI等のデジタル技術を用いて解析することで、人では気づけなかった特徴や規則性を導き出す。
実証方法
山口県警察本部が保有する、過去の交通事故の情報をAI等のデジタル技術を用いて解析する。
- 実証実験①:事故発生解析の自動化
- 目標:人力では気づけなかった交通事故の特徴や規則性の発見できるか
- 実施データ:山口県警察本部が公表している令和元年~令和5年(5年間)の山口県における交通事故データ。
- 検証方法:現在分析を行っている職員等が内容を確認
- 実証実験②:AIを用いた報告書作成の自動化
- 目標:報告書としてのクオリティが担保できるか
- 実施データ:山口県警察本部が公表している令和元年~令和5年(5年間)の山口県における交通事故データ。
- 検証方法:現在分析を行っている職員等が内容を確認

- 実証実験③:交通事故発生リスク予測
- 目標:交通事故と関連する要因を見出し、予測モデルを構築できるか。
- 実施データ:山口県警察本部が公表している令和元年~令和5年(5年間)の山口県における交通事故データ、及び宇宙要因等の環境要因データ。
- 検証方法:山口県警察本部が予測モデルによる出力結果と実際の事故発生状況を比較検証する。

検証結果
- AIを使っての既存データの解析及びレポート作成(実証実験①、②)
- AIの分析結果は、山口県警察本部の担当者が実施した分析結果と大きな差異がないことが確認できた。
- 追加の実証実験により、人では見つけることができない特徴や規則性を見出せる可能性は確認できた。
- 生成AIを活用し分析結果をレポート化することは出来ており資料として活用を検討できるレベルにある。これまで数日かけていた業務が、本システムを用いることで省力化できる。

- 交通事故発生予測(実証実験③)
- 交通事故と関連する環境要因を特定し予測モデルを構築できたが、実際に運用するためには今後の検証、バージョンアップが求められる。
今後の展望・課題
- 参加企業から
- 交通事故発生の原因に関するAIによる考察の高度化
- 交通事故予測の実用化に向けて、予測精度の向上、マップ上での可視化、UI/UXの検討などを行う
- 担当課から
- より詳細な事故分析、事故予測をするための課題が具体的に見えたので分析に活かす
- AI導入における環境整備
- 活用方法や予測結果の周知方法について工夫する
山口県
- YAMAGUCHI PREF -

山口県は本州の最西端に位置し、三方が海に開かれ、東西に中国山地が走っていることから、県土の7割が中山間地域であり、少子高齢化や若者流出が大きな課題となっています。 こうした中、本県では、デジタル化は地方においてこそ、より大きな進展を果たさなければならないと考え、デジタル技術を活用して、地域が抱える様々な課題の解決や、新しい価値の創造を行い、これまでよりも豊かで安心・安全に暮らすことができる山口県の未来を目指して、本県ならではのデジタル改革を進めていきます。 https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/