災害時の被害把握を迅速に!現場報告システムで初動体制をさらに早く
- 課題地域
- 山口県
- 担当部署
- 警察本部 警備課
- 採択企業
- 株式会社Spectee
背景・課題
大規模な自然災害等が発生した場合、被害情報の収集を行い、救出救助や避難誘導等に迅速かつ適正な人員と装備の投入を判断しているが、現状、被害情報の収集には、現場の警察官から送信されてくるメールを、「場所確認」「撮影場所の地図印刷」「マッピングする」作業工程で集約しており、被害状況の収集に多大な労力を要している。
この作業工程の効率化により、被害状況を早期かつ的確に把握し、初動の迅速化と適切な人員・装備品の投入を行いたい。
実証方法
- SNSから危機管理情報を収集するサービス『Spectee Pro』に、利用ユーザーから直接投稿可能な機能を搭載
- 本実証のために職員が無料で使える専用アプリを追加開発
- 専用アプリを経由して職員から仮想の被災状況を投稿
- Spectee Pro画面上で情報を表示、マッピング、見える化
- 県警本部にて投稿された情報を確認し、利活用できるか判断、検証
検証結果
- 発災後の被害状況が把握できる仕組みとして機能したか?
- 延べ150名規模(1回目実証: 50名、2回目実証: 100名)の実査で、大きく問題なく利用
- 現場として、発災後の被害状況が適切に把握できそうか?
- 職員アンケート結果等で概ね前向きの回答
- 画面上にリアルタイムでの更新、音声通知等で情報を視覚的に把握は可能
- 実査に協力した職員の声
- 投稿から発生場所がすぐに地図上で確認できるのは非常に便利だった
- 現在利用されているSNSと同じような投稿画面のおかげでスムーズに投稿することができた
- 一方で投稿のみのアプリだと他の職員の方の投稿が見ることができないため、閲覧できると望ましい
- 投稿自体は簡単であるが、投稿する前の内容を下書き保存できると良い
今後の展望・課題
- 参加企業から
- 通常のアプリ利用では費用が発生するため、3000名分の予算確保が困難
- 投稿のみのアプリを専用開発することによってその問題を解決(ユーザーは無料で利用可能)
- 投稿のみのアプリのライセンス(ID)の管理について
- 実際に導入に至った場合、最大3000名の職員のライセンスの管理が必要となる。
- 現状はSpectee側にて都度ライセンスの発行等を行う必要があり、その手間等が非常に煩雑となる
- 県警以外でも各県、各市町でも本実証のような機能を探している等のニーズがあり、本実証で開発した投稿のみのアプリによってその機能を活かし『Spectee』の拡販に活かせそうである
- 県警本部での実証のおかげで、現在実装されていない機能の要望やその要望を現在『Spectee』を利用いただいているユーザー含め意見等を集めることができ、より活用できる機能として拡大できそうな見込みがたった
- 通常のアプリ利用では費用が発生するため、3000名分の予算確保が困難
- 担当課から
- 県警職員のライセンス管理と取扱要領の周知
- 退職や転勤時等にライセンスや表示名の管理が複雑になるので、管理要領の検討が必要
- ライセンスを発行した職員に対しての教養や取扱要領等の周知について検討が必要
- 大規模災害等発生時におけるアイコンの区別化
- 大規模災害等発生時に、集中的に画像投稿があった場合に、重要度や危険度などの区別が必要
- 予算措置
- PCライセンス数やフルスペックアプリのライセンス数など費用対効果も含め検討が必要
- 県警職員のライセンス管理と取扱要領の周知
山口県
- YAMAGUCHI PREF -
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