背景・課題

新型コロナワクチン接種専用相談センターの開設から2022年5月までの相談実績は24,374件に達し、昼夜を問わず想像をはるかに超える件数の相談が寄せられた。そこでデジタル技術を活用して相談者も便利で、現場担当者の負担軽減に繋がるFAQ（よくある質問集）を作成したい　

今回の実証実験では、作成したFAQを県のホームページに公開し、
①利用状況や利用者の満足度を測定し、②従来の方法と比較して現場担当者や行政職員の業務負担が軽減するか検証した

実証方法

• 次世代型FAQシステム「Helpfeel」を山口県ワクチン接種専門相談FAQサイトとして実装、公開を行い、県民のコロナワクチンに対する質問の自己解決を促す取組みを実施
• FAQ運営のコアとなる質問文と回答文では、利用者・システム・更新を意識した

検証結果

• 本実証が、相談センターの業務負担軽減や県民のワクチン接種に対する疑問・不安解消の手段として、有効であったと考えられる
  • FAQのGOOD/BADボタンでの評価結果について、評価数に限りはあるものの、ワクチン接種の不安、副反応などのFAQでGOODの評価がされていた
  • 実証期間中、FAQサイトに1日あたり31.3件のアクセスがあった一方、相談センターへの問合せ数は大幅に減少した（66%減）
  • 問合せ内容を分類別に見たとき、相談センターで対応すべき内容の問合せが減少していた

今後の展望・課題

• FAQ作成の取組自体では一定の効果を挙げたが、制度等が次々と変わる、内容が専門的な部分に関しては、完全な自動化までは困難であった
• 2023年3月にChatGPTによるFAQ作成支援ツール「Helpfeel Generative Writer」をリリース（Nota社）