シビックテック チャレンジ YAMAGUCHI

実証結果

衛星・ドローンを活用し、農地の作付状況をスマートに把握したい!

課題地域
  • 山口県
担当部署
山口県 農業振興課

背景・課題

田や畑の活用状況は、ほ場を1枚ずつ歩いて目で状況を確認しているが、調査が夏に集中していることや、現地案内する関係者も高齢者が増えるなど、負担が増している。
現地に行かずに作付け状況を確認したい。衛星やドローンの撮影した画像を解析し、ほ場の作付け状況を判定し、今年度現地確認した作付け調査のデータと比較し精度を検証したい。

実証方法

  • 衛星データを元に、作付けの判定を行う仕組みを構築
    • 具体的には、衛星データより取得できる植生指数と水田台帳上の作物を機械学習にて分析。水田台帳における過去目視確認結果を学習データとテストデータに分け、機械学習モデルの推論結果の検証を行った。
  • 分析手法:圃場の衛星データは、まずは圃場の位置データを用いて1 日のその圃場全体のデータを取得し、その平均値を 1 日の値とした。そして、時系列でそのデータを圃場ごとに取得し、特徴量として用いた。

検証結果

  • KPIに関連する結果
    • 過去のデータも組み込むことで、その年の年初時点でも作物分類レベル(穀類除く)であれば、約8割の精度が算出された。
  • 市民(受益者)の声(アンケート等)
    • 麦類・豆類・飼料作物が多い地域
      • 春確認で活用できるようになると助かる
      • 現地確認に向かう前の1次判断として使用するなら役に立ちそう
    • 園芸品目が多い地域
      • 作付状況ではなく、品目の特定が出来るようにしてほしい
      • 生育期間が短いものが多いので、随時判別できるようにしてほしい
    • 地域によって判別してほしい作物の優先度が異なった。

今後の展望・課題

  • サービス/システムにおける課題
    • 作物の推定
      • 現状は、作物分類レベルでの推定結果であり、より詳細な作物レベルでの推定を行うには、今回の実証よりも多い作物毎の教師データが必要となると考えられる。
    • どのような推論結果の出力を行うか
      • モデルからの出力として、推定される作物名を算出するのか、営農計画書提出時の作物との乖離率などを算出するのか等、様々な手法が考えられる。
  • 地域での展開における課題
    • 上記と関連するが、教師データを増やさないと作物レベルでの推定は難しい。
    • 他地域での実証を増やしていく必要があるが、解析結果のみでは解決策の見える化が難しい為、アプリ開発が必要と考えられる。


山口県
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山口県は本州の最西端に位置し、三方が海に開かれ、東西に中国山地が走っていることから、県土の7割が中山間地域であり、少子高齢化や若者流出が大きな課題となっています。 こうした中、本県では、デジタル化は地方においてこそ、より大きな進展を果たさなければならないと考え、デジタル技術を活用して、地域が抱える様々な課題の解決や、新しい価値の創造を行い、これまでよりも豊かで安心・安全に暮らすことができる山口県の未来を目指して、本県ならではのデジタル改革を進めていきます。 https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/

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